トチカツ!Myhome Heroes無料相談
サービス内容選択肢の比較相談の流れお役立ち記事運営者情報住宅相談サイトへ 無料相談フォームLINEで相談する
空き家・相続

誰も住まない実家を放置すると、固定資産税や管理費はいくらかかるのか。空き家の年間維持費をモデル計算し、倒壊・火災・犯罪・税負担増など7つのリスクと対処法を解説します。

更新 2026.07.26読了目安 25分監修:潟沼勇気

親が施設へ入居したり、実家を相続したりして、誰も住まない状態になっていないでしょうか。

「家が建っているから、とりあえずそのままでよい」と考えがちですが、空き家には固定資産税、保険料、草刈り、修繕などの費用がかかります。管理状態が悪化すれば、建物の倒壊や近隣トラブルだけでなく、固定資産税の住宅用地特例を受けられなくなる可能性もあります。

この記事では、誰も住まない実家にかかる年間費用をモデルケースで計算し、放置によって生じる7つのリスクを解説します。保有、賃貸、売却、解体のどれを選ぶべきか判断するための材料としてお役立てください。

誰も住まない実家は、何もしなくても費用とリスクが発生します。結論として、使う予定が決まっていない実家ほど、早い段階で建物の状態と資産価値を調べることが重要です。

  • 標準的な戸建てでも、税金、保険、管理、草刈り、交通費、修繕などを合わせて年間35万〜80万円程度かかる場合がある
  • 放置期間が長くなるほど建物が傷み、売却、賃貸、再利用の選択肢が減りやすい
  • 管理不全空家や特定空家として勧告を受けると、土地の固定資産税等に適用される住宅用地特例から外れる可能性がある
  • 相続した不動産は、原則として取得を知った日から3年以内に相続登記が必要
  • 保有する場合でも、売却する場合でも、まず税額、建物状態、売却価格、活用収支を同じ条件で比較する

将来住む可能性があるという理由だけで結論を先送りするのではなく、「いつまで保有するのか」「年間いくらまで負担できるのか」を決めることが大切です。

総務省の令和5年住宅・土地統計調査によると、全国の空き家は900万2,000戸、空き家率は13.8%となり、いずれも過去最高でした。

このうち、賃貸用、売却用、別荘などを除いた空き家は385万6,000戸あります。相続後に使い道が決まらず、管理だけが続いている実家も含まれると考えられます。

詳しい調査結果は、総務省統計局の令和5年住宅・土地統計調査で確認できます。

1-1.誰も住まないだけで建物は劣化する

住宅は人が住まなくなると、次のような管理が行われにくくなります。

  • 窓を開けて換気する
  • 水道を流して排水トラップの封水を保つ
  • 雨漏りや設備の故障を早期に発見する
  • 雨どいや排水口を清掃する
  • 雑草や庭木を手入れする
  • 郵便物を回収する
  • 台風や地震の後に屋根や外壁を点検する

湿気や雨漏り、害虫、給排水設備の不具合は、発見が遅れるほど被害が広がります。小さな補修で済んだはずの不具合が、屋根、柱、床下まで影響することもあります。

1-2.空き家であること自体が問題なのではない

誰も住んでいなくても、定期的に点検、換気、通水、清掃、除草などが行われていれば、直ちに行政上の問題になるわけではありません。

問題になるのは、管理されないまま劣化し、周辺の安全や衛生、生活環境に悪影響を及ぼす状態です。

つまり、判断すべきなのは「空き家にするか」だけではありません。空き家として保有するための費用と管理体制を確保できるかが重要です。

空き家の維持費は、立地、敷地面積、固定資産税評価額、築年数、庭の広さ、管理方法によって異なります。

主な費用は次のとおりです。

費用項目年間費用の考え方
固定資産税土地・建物の固定資産税評価額をもとに計算
都市計画税市街化区域内など対象地域にある場合に課税
火災保険・地震保険建物の構造、所在地、補償内容、空き家の状態で異なる
水道光熱費通水、換気、点検に電気や水道を残す場合に発生
空き家管理費巡回頻度や室内点検の有無で異なる
草刈り・庭木剪定敷地面積、作業回数、樹木の高さで異なる
修繕費雨漏り、外壁、屋根、設備、害虫対策など
交通費所有者が自分で管理する場合に発生
自治会費など地域や物件によって継続する場合がある

2-1.固定資産税と都市計画税

固定資産税の標準税率は1.4%です。市街化区域内などでは、上限0.3%の都市計画税が課される場合があります。

基本的な計算方法は次のとおりです。

固定資産税=課税標準額×1.4%

都市計画税=課税標準額×自治体が定める税率

住宅が建っている土地には、一定の要件を満たす場合、住宅用地特例が適用されます。

区分固定資産税の課税標準都市計画税の課税標準
小規模住宅用地となる200平方メートル以下の部分評価額の6分の1評価額の3分の1
一般住宅用地となる200平方メートル超の部分評価額の3分の1評価額の3分の2

実際の税額は、毎年自治体から届く固定資産税・都市計画税納税通知書で確認できます。

税額のモデル計算

次の条件で、年間税額を試算します。

  • 土地の固定資産税評価額が1,500万円
  • 土地は200平方メートル以下
  • 建物の固定資産税評価額が300万円
  • 固定資産税率が1.4%
  • 都市計画税率が0.3%
  • 土地に住宅用地特例が適用されている
税目計算年間税額
土地の固定資産税1,500万円×6分の1×1.4%3万5,000円
土地の都市計画税1,500万円×3分の1×0.3%1万5,000円
建物の固定資産税300万円×1.4%4万2,000円
建物の都市計画税300万円×0.3%9,000円
合計土地と建物の合計10万1,000円

これはあくまで計算例です。土地や建物の評価額、負担調整措置、税率などによって実際の金額は変わります。

2-2.空き家管理サービスの費用

遠方に住んでいて自分で管理できない場合は、空き家管理サービスを利用する方法があります。

国土交通省の調査では、月1回の巡回サービスについて、外観確認だけのプランから室内の清掃や通水を含むプランまで、月額3,000円〜1万2,600円程度の事例が確認されています。

年間にすると、約3万6,000円〜15万1,200円です。ただし、現在の料金は地域、作業時間、交通費、管理内容によって異なるため、複数社から見積もりを取りましょう。

確認したい管理内容は次のとおりです。

  • 建物外部の目視点検
  • 室内の換気
  • 水道の通水
  • 雨漏りや漏水の確認
  • 郵便物の回収
  • 庭や敷地の確認
  • 台風、豪雨、地震後の臨時点検
  • 写真付き報告書の有無
  • 緊急時の対応範囲

2-3.火災保険・水道光熱費

誰も住まない実家でも、火災、落雷、風災、漏水などのリスクは残ります。

ただし、常時居住していない建物は、一般的な居住用住宅と同じ条件で火災保険に加入できない場合があります。現在の契約をそのままにせず、保険会社や代理店へ空き家になったことを伝え、補償の継続可否を確認してください。

また、管理のために水道や電気を残す場合は、使用量が少なくても基本料金がかかります。すべて解約すると管理や通水が難しくなるため、建物の状態と管理方法を踏まえて判断します。

2-4.草刈り・庭木剪定・修繕費

庭付きの実家では、雑草や庭木の管理が大きな負担になります。

放置すると、次のような問題が発生します。

  • 枝が隣地や道路へ越境する
  • 落ち葉が雨どいや排水口を詰まらせる
  • 害虫や害獣が発生する
  • 不法投棄されやすくなる
  • 空き家であることが外部から分かりやすくなる

修繕費は毎年一定ではありません。何も発生しない年もあれば、屋根、外壁、雨漏り、給排水設備などの修理でまとまった費用が必要になる年もあります。

年間費用を考えるときは、実際に支払った金額だけではなく、将来の修繕に備える予備費も含めておく必要があります。

2-5.年間維持費のモデルケース

先ほどの税額モデルをもとに、管理を続ける場合の年間費用を試算します。

費用項目年間費用の目安
固定資産税・都市計画税約10万円
水道光熱費約2万〜4万円
火災保険など約1万〜6万円
空き家管理サービス約4万〜15万円
草刈り・庭木剪定約5万〜15万円
所有者の交通費約3万〜10万円
小規模修繕・修繕予備費約10万〜20万円
合計約35万〜80万円

この金額は全国共通の相場ではなく、一定の条件を置いたモデルケースです。大規模な雨漏り修繕、屋根工事、外壁工事、害虫駆除、残置物処分などは含んでいません。

首都圏で土地の評価額が高い場合や、敷地が広く庭木が多い場合、大規模修繕が発生した場合は、年間100万円を超えることもあります。

実家を放置するリスクは、建物が古くなることだけではありません。費用、事故、法律、相続まで影響が広がります。

3-1.リスク1 使っていなくても維持費が発生する

誰も住んでいなくても、固定資産税や都市計画税は毎年課税されます。

さらに、火災保険、水道光熱費、草刈り、交通費、修繕費がかかります。月単位では小さく見えても、年間50万円なら5年間で250万円です。

売却価格が上がる根拠がないまま保有すると、資産価値より維持費の負担が大きくなる可能性があります。

3-2.リスク2 建物が劣化して資産価値が下がる

換気や点検がされない住宅では、湿気、カビ、腐食、雨漏り、シロアリなどの被害に気づくのが遅れます。

建物の状態が悪くなると、次のように選択肢が減っていきます。

  • そのまま売却できず、解体を求められる
  • 賃貸に出すための改修費が高くなる
  • インスペクションで重大な不具合が見つかる
  • 買主が住宅ローンを利用しにくくなる
  • 売却価格から解体費や修繕費を差し引かれる
  • 再建築不可などの条件により活用が難しくなる

放置しても土地の価格が維持されるとは限りません。建物の解体費や残置物処分費が差し引かれ、手取りが想定より少なくなることもあります。

3-3.リスク3 火災・不法侵入・犯罪の危険が高まる

郵便物がたまり、庭が荒れ、夜間も照明がつかない家は、外部から空き家だと分かりやすくなります。

その結果、次のようなリスクが高まります。

  • 不法侵入
  • 盗難
  • 放火
  • 不法占拠
  • 不法投棄
  • 建物や設備の破壊

火災が発生した場合、建物だけでなく隣家へ被害が及ぶ可能性があります。保険契約が空き家の実態に合っていなければ、想定していた補償を受けられないおそれもあります。

3-4.リスク4 倒壊や飛散で損害が発生する

老朽化した建物では、地震や台風、強風、大雪などをきっかけに事故が起こる可能性があります。

  • 屋根材や外壁材が飛ぶ
  • 塀や門扉が倒れる
  • 庭木が折れて道路や隣地へ倒れる
  • 建物の一部が崩落する
  • 通行人や車、隣家へ損害を与える

建物や塀などの設置・保存に問題があり、第三者へ損害を与えた場合は、所有者が責任を問われる可能性があります。

特に台風や地震の後は、現地確認を先送りしないことが重要です。

3-5.リスク5 害虫・悪臭・越境で近隣トラブルになる

空き家の管理不足は、所有者だけの問題ではありません。

雑草や庭木が伸びると、蚊、ハチ、ネズミ、害獣などが発生しやすくなります。排水トラップの水が蒸発すれば、下水の臭いや害虫が室内へ入り込むこともあります。

次のような状態は、近隣から自治体へ相談される原因になります。

  • 枝や雑草が隣地へ越境している
  • 落ち葉が隣家や道路へ広がっている
  • ごみを不法投棄されている
  • 害虫や害獣が発生している
  • 雨水や汚水が周囲へ流れている
  • 外壁や屋根が崩れそうになっている

一度近隣関係が悪化すると、売却や賃貸を進める際にも支障が出る可能性があります。

3-6.リスク6 管理不全空家や特定空家になる可能性がある

2023年12月に施行された改正空家法では、「管理不全空家」という区分が設けられました。

管理不全空家とは、適切に管理されず、そのまま放置すれば特定空家になるおそれがある空き家です。

さらに状態が悪化し、次のような状態になると、特定空家と判断される可能性があります。

  • 倒壊など保安上の危険がある
  • 著しく衛生上有害となるおそれがある
  • 著しく景観を損なっている
  • 周辺の生活環境を守るために放置が不適切である

自治体から指導を受けても改善せず、勧告を受けた管理不全空家や特定空家の土地は、固定資産税等の住宅用地特例から外れる可能性があります。

制度の詳細は、国土交通省の固定資産税等の住宅用地特例に係る空き家対策上の措置で確認できます。

固定資産税が必ず6倍になるわけではない

小規模住宅用地の課税標準が6分の1から本来の水準に戻るため、「固定資産税が6倍になる」と説明されることがあります。

しかし、実際の納税額には次の要素も影響します。

  • 建物の固定資産税
  • 都市計画税
  • 負担調整措置
  • 土地の面積
  • 自治体ごとの税率
  • 課税標準額

そのため、納税額全体が必ず6倍になるわけではありません。一方で、土地部分の負担が大きく増える可能性はあるため、自治体から指導や通知が届いた場合は放置しないでください。

行政代執行の費用を請求される可能性もある

危険な特定空家について、所有者が命令に従わない場合などには、自治体が建物の除却などを行う行政代執行へ進むことがあります。

行政代執行は自治体が無料で解体してくれる制度ではありません。原則として、かかった費用は所有者へ請求されます。

3-7.リスク7 相続人が増えて処分しにくくなる

実家の名義を亡くなった親のままにすると、時間の経過とともに相続関係が複雑になる可能性があります。

相続人の一人が亡くなると、その配偶者や子へ権利が引き継がれ、売却、賃貸、解体などの意思決定に関わる人が増えていきます。

2024年4月1日から相続登記が義務化されました。原則として、不動産を相続したことを知った日から3年以内に相続登記を申請する必要があります。

2024年4月1日より前に発生した相続についても、未登記の場合は原則として2027年3月31日までに申請が必要です。正当な理由なく義務に違反すると、10万円以下の過料の対象になる可能性があります。

詳しくは、法務省の相続登記の申請義務化に関する案内をご確認ください。

実家をすぐに売却しない場合でも、定期的な管理は必要です。

国土交通省の管理指針や自治体の案内を参考にすると、最低限確認したい内容は次のとおりです。

4-1.建物外部の確認

  • ☐ 屋根材や外壁材が剥がれていないか
  • ☐ 雨どいや軒裏が破損していないか
  • ☐ 窓や玄関が壊れていないか
  • ☐ 塀、門扉、擁壁に傾きやひび割れがないか
  • ☐ 庭木が道路や隣地へ越境していないか
  • ☐ 雑草が繁茂していないか
  • ☐ ごみや郵便物がたまっていないか

4-2.建物内部の確認

  • ☐ 窓を開けて換気する
  • ☐ 各水栓を通水する
  • ☐ 排水口へ水を流す
  • ☐ 雨漏りや天井の染みを確認する
  • ☐ カビや異臭がないか確認する
  • ☐ 床の沈みや傾きがないか確認する
  • ☐ 給排水設備の漏水を確認する
  • ☐ 害虫や害獣の痕跡を確認する

4-3.災害後の臨時確認

月1回程度の巡回を基本にしていても、台風、豪雨、地震、大雪の後は別途点検が必要です。

遠方に住んでいる場合は、近隣の親族へ頼り続けるのではなく、対応範囲が明確な空き家管理サービスを検討しましょう。

実家の方針を感覚だけで決めると、「売っておけばよかった」「貸すための修繕費が想定以上だった」という結果になりかねません。

最低でも、次の5つの数字を確認しましょう。

5-1.年間維持費

固定資産税、保険、管理、草刈り、交通費、修繕予備費を合計します。

年間維持費=税金+保険+管理費+水道光熱費+庭の管理費+交通費+修繕予備費

過去1年分だけではなく、今後3年から5年分の累計額も計算してください。

5-2.現状の売却価格

不動産会社へ査定を依頼するときは、査定額だけでなく、次の内容も確認します。

  • 古家付き土地として売る場合の価格
  • 建物を解体して更地で売る場合の価格
  • 売却までに想定される期間
  • 仲介手数料や測量費などの諸費用
  • 境界や接道に関する問題
  • 建物の契約不適合責任に関する条件

1社だけでなく、根拠の異なる複数の査定を比較することが重要です。

5-3.賃貸した場合の手残り

賃貸収入は、家賃がそのまま利益になるわけではありません。

年間手残り=年間家賃収入-空室損-管理費-修繕費-税金-保険料

築年数が古い実家では、入居前に耐震、断熱、水回り、内装などの改修が必要になる場合があります。改修費を何年で回収できるかまで計算しましょう。

5-4.解体費と解体後の税負担

建物が危険な状態で再利用も難しい場合は、解体を検討します。

ただし、建物を解体すると土地の住宅用地特例が適用されなくなり、翌年度以降の固定資産税等が上がる可能性があります。

解体を先に決めるのではなく、次の順番で確認してください。

  1. 建物の状態を調査する
  2. 古家付きで売却できるか確認する
  3. 解体費の見積もりを取る
  4. 解体後の固定資産税等を自治体へ確認する
  5. 更地にした場合の売却価格や活用収支を調べる
  6. 自治体の解体補助金を確認する

5-5.将来利用する時期

「いつか住むかもしれない」だけでは、保有期間を判断できません。

  • 誰が住むのか
  • 何年後に住むのか
  • それまでの維持費はいくらか
  • 住むための改修費はいくらか
  • 相続人全員が保有に同意しているか

将来利用する時期が具体的に決まっていない場合は、少なくとも1年ごとに方針を見直しましょう。

実家の最適な選択肢は、土地の価値、建物の状態、家族の意向によって異なります。

選択肢向いているケース主な注意点
管理して保有数年以内に家族が住む予定がある維持費と管理体制が必要
戸建てとして賃貸賃貸需要があり、少ない改修で貸せる空室、修繕、入居者対応が発生
建て替えて活用立地がよく、長期的な賃貸需要が見込める建築費、借入、事業収支の検証が必要
古家付きで売却建物を使いたい買主が見込める建物状態や契約条件の整理が必要
解体して売却建物が危険で、更地需要が高い解体費と解体後の税負担を確認
土地として保有将来の利用目的が明確に決まっている草刈り、税金、不法投棄対策が必要

6-1.保有が向いているケース

次の条件を満たす場合は、管理しながら保有する選択肢があります。

  • 利用開始時期が決まっている
  • 年間維持費を負担できる
  • 月1回程度の管理体制がある
  • 大規模修繕が必要ない
  • 相続人間で方針が一致している

思い出があるという理由だけで保有する場合も、維持費の負担者と管理担当者は決めておきましょう。

6-2.賃貸・土地活用が向いているケース

駅、学校、商業施設、幹線道路などへのアクセスがよく、賃貸需要が見込める場合は、戸建て賃貸や建て替えによる土地活用を検討できます。

ただし、賃貸査定の家賃だけで判断してはいけません。

  • 改修費
  • 建築費
  • 空室率
  • 管理費
  • 固定資産税
  • 火災保険
  • 将来の修繕費
  • 解体費
  • 借入金利

これらを含めた手残りで比較する必要があります。

6-3.売却が向いているケース

次の条件に当てはまる場合は、早期売却を検討する価値があります。

  • 家族が住む予定がない
  • 管理のために頻繁に通えない
  • 維持費が家計の負担になっている
  • 建物の劣化が進み始めている
  • 相続人間で共有状態を長く続けたくない
  • 賃貸需要が弱い
  • 売却による税制特例の期限が近い

相続した空き家には、一定の要件を満たすと譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。

売却時期などの要件があるため、対象になる可能性がある場合は税理士や税務署へ早めに確認してください。制度の適用期限は2027年12月31日ですが、相続開始からの期限もあります。

詳しくは、国土交通省の空き家の譲渡所得3,000万円特別控除をご確認ください。

誰も住まない状態になった直後は、次の手順で整理します。

  1. 鍵、権利証、固定資産税納税通知書、図面を探す
  2. 土地と建物の登記事項証明書を取得する
  3. 所有者と相続人を確認する
  4. 火災保険会社へ空き家になることを連絡する
  5. 建物の雨漏り、傾き、設備、庭木を確認する
  6. 郵便物の転送手続きを行う
  7. 水道と電気を残すか決める
  8. 月1回程度の管理担当者を決める
  9. 売却、賃貸、土地活用、解体の概算を取る
  10. 家族で方針を決める期限を設定する

すでに相続が発生している場合は、遺産分割協議や相続登記を優先します。

判断に時間がかかる場合でも、「何もしない」のではなく、管理を続けながら比較検討する状態をつくることが重要です。

誰も住まない実家を放置すると、固定資産税だけでなく、保険、管理、草刈り、交通費、修繕などの費用が毎年発生します。モデルケースでは、年間35万〜80万円程度の負担になる可能性があります。

放置による主なリスクは次の7つです。

  1. 使っていなくても維持費が発生する
  2. 建物が劣化して資産価値が下がる
  3. 火災、不法侵入、犯罪の危険が高まる
  4. 倒壊や屋根材の飛散で損害が発生する
  5. 害虫、悪臭、越境で近隣トラブルになる
  6. 管理不全空家や特定空家になる可能性がある
  7. 相続人が増えて処分しにくくなる

実家を保有すること自体が悪いわけではありません。しかし、利用時期と管理体制が決まっていないまま放置すると、時間の経過とともに費用が増え、選択肢が減っていきます。

まずは固定資産税の納税通知書、建物の状態、売却査定、賃貸収支、解体費を確認し、保有、活用、売却を同じ条件で比較しましょう。

出典・参考資料