4-1.大雨や台風をきっかけに倒壊する
長期間使われていない住宅は、雨漏りや湿気の滞留が起きても発見が遅れやすくなります。
屋根材のずれや破損から雨水が入り、柱、梁、土台、下地材などの劣化が進むことがあります。さらに、瓦屋根など重量のある屋根では、建物を支える部分が弱くなると危険性が高まる可能性があります。
ただし、外観だけで建物の安全性を正確に判断することは困難です。傾き、ひび割れ、屋根の崩れなどが確認された場合は、自分で屋根へ上がらず、建築士や施工会社などに調査を依頼しましょう。
4-2.外壁や屋根材が道路・隣地へ落下する
建物全体が倒壊していなくても、瓦、軒裏、雨どい、外壁材、窓ガラスなどが落下することがあります。
空き家が次の場所に近い場合は、周囲への影響が大きくなりやすいため注意が必要です。
- 通学路や生活道路に面している
- 隣家との距離が近い
- 斜面や擁壁の上に建っている
- 人通りの多い道路に面している
- 強風を受けやすい場所にある
- 積雪や大雨の影響を受けやすい
4-3.管理不全空家等・特定空家等の対象になる
2023年の空家法改正により、放置すれば特定空家等になるおそれがある空き家を「管理不全空家等」として、市区町村が指導や勧告を行えるようになりました。
さらに、倒壊の危険性が高いなど、周囲の生活環境へ著しい悪影響を及ぼしている空き家は「特定空家等」に該当する可能性があります。
| 区分 | 主な状態 | 行政の対応例 |
|---|
| 管理不全空家等 | 適切に管理されず、このままでは特定空家等になるおそれがある | 指導、勧告 |
| 特定空家等 | 倒壊のおそれや衛生・景観上の著しい問題などがある | 助言・指導、勧告、命令、代執行 |
認定や措置は自治体が個別に判断します。単に古いという理由だけで、直ちに特定空家等になるわけではありません。
4-4.固定資産税の住宅用地特例が外れる可能性がある
住宅が建つ土地には、一定の要件のもとで固定資産税の課税標準を軽減する住宅用地特例があります。200平方メートル以下の小規模住宅用地では、固定資産税の課税標準が6分の1になる仕組みです。
しかし、管理不全空家等または特定空家等として自治体から勧告を受けると、住宅用地特例の対象外になる場合があります。
「解体すると固定資産税が上がるから、そのままにしておく」という判断もありますが、放置すれば特例を維持できるとは限りません。
実際の税額は、土地の評価額、面積、自治体、都市計画税の有無などによって異なります。解体前には、自治体の資産税担当部署へ確認しましょう。
4-5.売却や活用が難しくなる
空き家は、劣化が進むほど修繕費や解体費が増える可能性があります。建物が危険な状態になれば、買主が見つかりにくくなり、売却条件にも影響します。
また、相続登記が行われていない、共有者が多い、境界が不明確、家財が残っているといった問題が重なると、処分までに長い時間がかかることがあります。
空き家になってから対応するより、親が住んでいる段階から家族で話し合い、登記や家財を整理しておく方が選択肢を残しやすくなります。