地震に強い家を建てるには、耐震等級だけでなく、繰り返す揺れによる建物の変形を抑える「制震」も検討する必要があります。
耐震、制震、免震は、地震に対する役割が異なります。
| 構造・装置 | 主な役割 | 確認したいポイント |
|---|
| 耐震 | 柱、梁、耐力壁などで地震の力に耐える | 耐震等級、構造計算、耐力壁の配置 |
| 制震 | ダンパーなどで地震エネルギーの一部を吸収し、建物の変形を抑える | 装置の種類、配置、適用条件、実験結果 |
| 免震 | 建物と地盤の間に装置を設け、揺れが建物へ伝わりにくくする | 敷地条件、費用、維持管理、可動範囲 |
12-1.まず耐震性能を確保し、そのうえで制震を検討する
耐震構造は、建物が地震の力に抵抗するための基本です。
制震装置は耐震性能の代わりになるものではなく、耐震構造へ追加して建物の揺れや変形を抑えるための仕組みです。
基本的には、次の順番で検討するとよいでしょう。
- 地盤と擁壁の安全性を確認する
- 敷地に合った基礎を設計する
- 耐震等級3を確保する
- 許容応力度計算で建物ごとの強さを確認する
- 制震装置を追加して変形や損傷の軽減を検討する
- 家具固定や設備の転倒・脱落対策を行う
- 地震後の点検と補修体制を確認する
制震装置だけを追加しても、耐力壁の不足やバランスの悪い間取りを補えるとは限りません。
12-2.繰り返す地震への備えとして制震を検討する
耐震構造は、柱、梁、床、耐力壁などで地震力に抵抗します。
大きな地震が繰り返されると、耐力壁、接合部、構造用面材、内装材などへ負担が蓄積する可能性があります。
制震装置には、地震エネルギーの一部を吸収することで、次のような影響を軽減する効果が期待できます。
- 耐力壁や接合部へ加わる負担
- 建物全体の変形
- 上階の揺れ
- 壁紙や石膏ボードのひび割れ
- 建具のゆがみや開閉不良
- 繰り返す地震による構造部分への負担
ただし、制震装置を付ければ必ず住宅が無傷になるわけではありません。
実際の効果は、建物の構造、重量、間取り、装置の種類、設置数、配置、地震動などによって異なります。
12-3.制震装置は商品名や低減率だけで判断しない
ハウスメーカーによって、制震装置の仕組み、標準仕様かオプションか、設置できる商品や間取りが異なります。
比較するときは、次の点を確認しましょう。
- 制震装置が標準仕様かオプションか
- 実際に建てる商品へ設置できるか
- 建物ごとに装置の配置を検討しているか
- 制震装置を含めて構造計算を行っているか
- 繰り返す大地震を想定した実験を行っているか
- 実験した建物と検討中の商品の構造が同じか
- 公表された揺れの低減率はどの条件で測定したか
- 装置の耐久性や交換時期が示されているか
- 地震後に装置を点検できるか
- 制震装置を設置した状態で耐震等級3を取得できるか
- 将来の交換や補修にかかる費用はいくらか
カタログに掲載された揺れの低減率は、特定の建物や実験条件で算出されている場合があります。
数値だけを比較せず、実際に建てる住宅の構造や間取りでどのような効果が期待できるのか確認することが大切です。
12-4.地震に本当に強いハウスメーカーは条件によって異なる
地震に強いハウスメーカーを、会社名だけで一律に順位付けすることはできません。
同じ会社でも、選ぶ商品、構造、間取り、追加仕様、建築地の地盤などによって地震への備えは変わります。
住宅会社を比較するときは、次の項目を総合的に確認する必要があります。
- 耐震等級3を取得できるか
- 許容応力度計算で建物ごとに安全性を確認しているか
- 制震装置を採用できるか
- 繰り返す地震を想定した実大実験を行っているか
- 地盤調査と基礎設計をどのように行うか
- 大開口や吹き抜けを設けても耐震性を確保できるか
- 構造計算書や住宅性能評価書を確認できるか
- 地震後の点検・補修体制が整っているか
- 内装、設備、太陽光発電などの災害対応を確認できるか
- 予算内で必要な耐震・制震仕様を採用できるか
マイホームヒーローズでは、耐震等級の数字だけでなく、構造計算の方法、制震装置、実大実験、地盤・基礎、間取りの自由度、地震後のサポートまで比較します。
希望地域、建築予算、構造、間取り、必要な性能を整理したうえで、条件に合うハウスメーカーや経験豊富な担当者の紹介も行っています。
「耐震等級3ならどこで建てても同じ」と考えず、実際に建てる商品と間取りを前提に比較することが重要です。